2017年10月22日日曜日

スマホ時代の商業動画コンテンツ配信サービスについての簡単な考察

上図はNetflixのAppStore(アメリカ)での過去1年間のセールスランキング推移です。
もちろんガチャとかは一切無く、アプリ上での課金手段はサブスクリプション(定額課金)のみ。ガチャゲー一色の日本のセルランと違って、米国のセルラン上位はNetflix、Spotify、YouTubeなどのストリーミング配信系サービス(全てサブスクリプションの筈)が過半数を占めていて、ゲーム系ではクラクラ、キャンクラ、ポケモンとかぐらいでそれ程多くはありません。ちなみに、ストリーミング配信系以外の非ゲームだとTinder(出会い系)とかが強い。

Netflix補足:
・米国のオンラインDVDレンタル、ストリーミング配信会社
・1997年創業、1998年にウェブ上でのDVDレンタルサービスを開始
・2007年以降VODストリーミング配信を開始
・2002年からNASDAQに公開しているが2013年以降に急成長

株価の成長具合から見て、正にスマホ時代に当たった商業動画コンテンツ配信サービスって感じでしょうか。

日本ではいまいちパッとしませんが。

Netflixの日本のAppStore上でのセールスランキングは100位付近。日本の同業種の他サービスとしては、dTV、RakutenTV、USENなどがありますが、どれもパッとしない印象。海外のその他サービスとしては、Amazonプライムビデオ、Huluなどがあり、Amazonプライムビデオはそこそこ好評ですが、Huluに関してはdTVやRakutenTVと同程度といった感じ。

Amazonプライムビデオは「prime会員になっていれば棚ぼた的に無料で動画が見れる」ことが好調の要因なので、Netflixのような「商業動画コンテンツ配信サービスとしての成功」と同列で考えるのは違和感があります。

Amazonプライムビデオ以外で日本でヒットしている同業種としては、少し毛色が違いますがAbemaTVとかでしょうか。(なお、YouTubeやニコニコ動画といった主にUGCを扱っているものは除外してます)

AbemaTVのAppStore上でのランキングは200位ぐらい。主に広告で収益化しようとしているようですが、有料会員登録するとVODで見れるようになるので、AppStore上のランキング=Netflixと純粋に同一形態と見做せるかもしれません。Netflixと違って国内向けのコンテンツ調達は十分できているであろうにも関わらず、Netflixにすら勝てていないところが中々興味深い。

単純に品揃えが原因では無いことは確かなようです。
そもそも品揃えさえ良ければ客が付くのであればdTVあたりがもっとヒットしている筈

以下、推測ですが、
米国は国土が広い関係で電波を隈なく配信することが(最初期の頃は)技術的に困難だったためケーブルテレビ中心に発達してきた一方、国土が狭い日本ではインフラ的な事情を割と簡単にクリアできたので、早期から電波放送中心に発達し、その結果米国では「多様なチャンネルの中から好みのチャンネルを買う文化」みたいなものが定着し、方や日本では(電波配信の性質上、垂れ流し状態にせざるを得ないので)「CM付きのコンテンツを無料で見る文化」が定着したと考えることができます。

参考資料:海外におけるケーブルテレビ市場の動向(総務省)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/chousa/2010cabletv/pdf/060421_2_3.pdf
2005年末時点の米国でのケーブルテレビ世帯加入率は84.6%で, 減少傾向ではあるが平成18年時点でも約69%程度とのこと。
参考までに、日本でのケーブルテレビの世帯普及率は実は(全く実感が無いのですが)そこそこ高いのですが、第三セクターが介入していたりするものが含まれているらしく、普通の(多チャンネル放送の受信に対応した)ケーブルテレビの普及率に絞ってみると1千万世帯に届いていない程度のようです。
もちろん、これは最初期の頃の話しで、今の米国には当然ですが地上波放送もあってアンテナさえ買えば無料で商業動画コンテンツを見ることができますが、それでもケーブルテレビの人気には根強いものがあります。

黎明期〜普及期に掛けてヒットすると、それに関わる強力な利権構造(日本なら電通とか)が同時に生まれることで、普及期以降に新たな方式を採り入れようとしても市場から排除される「三つ子の魂は百までメカニズム」と呼ばれる(※私が勝手に呼んでいる)市場原理が生まれます。これが(やや端折りますが)、サブスクリプション方式では商業動画コンテンツ配信サービスとして日本で成功出来ない原因の根本であろうと推測しています。

AbemaTVの広告モデルで何とかしようとする手法は、この推測が正しければ正攻法かもしれません。なので、長い目で見れば上手くいくんじゃないかと思っています。
ただし、仮に上手くいったとしてもせいぜいテレビCMと同程度のコンバージョンしかない(※テレビCMは、母数がメチャクチャ多いからコンバージョン率が低くてもそれなりにペイできるものだと思っている)となると、仮に私が広告を出す側の人間だったら「それならテレビでええやん」と思ってしまいそうな気がする。インプレッション等の数字が正確に分かるようになる筈なので、金を払って広告出稿する側からすると曖昧な「テレビの視聴率」よりもシビアな判断を下しやすいことがメリットといえばメリットかもしれませんが、それってプラットフォーム側からするとリスクでしかないかも。(AdSenceみたいにコンバージョン率が高いとかなら話しは別ですが、既存のテレビをインターネットに持ってきただけではその点はあまり期待できないと思っている)

2017年10月15日日曜日

スマホ音ゲーの傾向

ガルパ、ミリシタ、歌マクロス、うたプリ、SideM、その他諸々。2015年末〜2016年にかけてデレステが好セールスを叩き出した影響か、今年はスマホ音ゲーの新作が続々と登場していますが、セールス的には、
・相変わらず強いデレステ
・地味にしぶといスクフェス
が「二強」といった感じで、新規は中々苦戦しているようです。
以下、各アプリ(iOS版)のセールスランキング(全アプリ総合)の推移を見ていきます。(ランキング推移はAppAnnieで確認)

(デレステ)

・強い
・今年に入ってから下降トレンドになったものの7月ぐらいから徐々に上昇トレンドに転じている
・ガルパ合わせでスライドを導入し、ミリシタ合わせでガチャ率を1.5%→3%に緩め、SideM合わせでスマートモード追加など、着実に新規を潰していく施策を実施できていることに加え、2周年記念で5日間10連ガシャを毎日1回無料といった大盤振る舞いな施策が功を奏した形か
・出戻り勢が多そう(私もその一人)

(スクフェス)

・地味に強い
・100位を割り込んだ時期もあったものの、そのまま落ちることなくそこそこの順位を保つ
・下降トレンドであることには変わりないが「底の強さ」みたいなものが感じられる

以下、これら2強に仕掛けた新規勢を見ていきます。

(ガルパ)

・概ね好調(反発ライン=100位前後)
・ただし、上位キープは出来ていない(新規ガチャ実装→そこそこ上位へ上がる→すぐに落ちている→新規ガチャ実装...の繰り返しで、それは他のゲームでも同じだが、デレステと比べて上位定着期間が短い)
・楽曲コンテンツの追加ペースが早いものの、中長期を見通した運営プランができていないのか、追加コンテンツとイベントが上手く連動出来ていなかったり等の運営面での舵取りの甘さが目立つ
・このゲームの差別化要素は、他音ゲーと比べてゲーマー向けに寄せている点で、それが(アニメが成功しなかったにも関わらず)ヒットできた要因だと思われるが、その半面、この路線だと新規顧客獲得に苦戦することになる(ゲーマー向けに寄せれば寄せる程、かつての格闘ゲームやSTGなどと同様のタコツボ化状態になるので新規から敬遠されるようになる)
・実際、新規流入が8月にドカッと入っている(OVAの地上波+AbemaTVでのOA or ブーストだと考えられる)が、その後セールス的には9月初旬に過去最低を記録していることから、新規顧客の定着化に難がある事が数値的にも浮き彫りになった

(ミリシタ)

・軟調(反発ライン=200位前後)
※図で見ると分かり難いですがガルパの概ね2倍下振れしています
・事前登録100万超えなど、リリース前の話題性はあった
・レビューを見る限り、コンテンツ追加ペースが遅く、イベントも盛り上がりに欠けていたことに加え、ゲーム本編が特に新規性が無かった事がユーザの不満を買った模様
・楽曲実装の遅さは、コンテンツ調達コストが相当重い事が要因か
・このゲームの最大の弱みは、デレステと比較した場合の差別化要素がキャラクタ(IP)しか無い点かもしれない

(歌マクロス)

・不調(200位圏外が安定しつつある)
・テコ入れが必要だと思われるが、ミリシタと同様コンテンツの調達コストが結構重そう(=楽曲コンテンツ数では勝負できない筈)だから、打開策としてはレアリティの投げ売りぐらいだと思われる
・このゲームで強くなるには、最高レアリティが9種必要で、しかも最高レアリティは最低でも同じカードが2枚無いとレベルMAXにならず、更に属性染めアリという具合
・考え得る限りの搾取ロジックが実装されており、その辺が課金慣れしたユーザから敬遠された(かどうかは分からないですが、少なくとも私はそこそこ遊んだものの1円たりと課金する気が起きず、完全無課金プレイでした)

(うたプリ)

・弱い(リリース初日10位以内に入れず)
・そもそも音ゲープレイヤーなんて8割は男なのに、何故女性向けコンテンツで作ろうと思ったのか(開拓を狙うにしても、中身がスクフェスと同じ=無策同然なので、それでは開拓なんて出来る訳もなく)

(SideM)

・弱い(リリース5日で100位以下へ落ち、2週間で150位を割り込む)
・そもそも音ゲープレイヤーなんて8割は男なのに(略)
・シングルレーンでゲーム性は完全に捨ててきているスタイルは、ある意味斬新かもしれないが、それならそもそも音ゲーにする必要が無いのでは...(パズルゲームなどの女性ウケの良い別ジャンルで攻めた方がまだマシだったのではないだろうか)
・音ゲーで女性向けマーケット開拓という牙城に無策で挑んだうたプリよりはマシかもしれないと思いきや、うたプリよりもセールス的には弱い(やっぱり、女性向けでもゲー無ではダメみたいですね)

〜〜〜〜〜

総括してみると、
(1) デレステより後の世代でのヒットの傾向としては、高難度化が好まれる傾向
 - 新規勢で唯一ヒットできたガルパだけがこの路線
 - 定着するユーザは(スクフェス/デレステ等の)経験者ばかりだと考えられる
 - つまり、順調にタコツボ化が進んでいる
(2) セールスを上げるのには蛸壺の住人が必要(特徴は下記)
 - 新奇性が無いと寄り付かない
 - IPではなくゲーム性を重視
 - 文脈を踏まえたものを提供しなければ叩かれる
 - ↑は、新規プレイヤから敬遠される要因にもなる
(3) IPは初期流入やメディアミックスしたタイミングで効果はあるが、継続率向上や転化行動の発生などには寄与しない(人気キャラクタ持ってくれば勝てる訳ではない)
(4) 課金慣れしているユーザは、搾取に対する警戒も強い
(5) 3D導入のインパクトはもう無い (コスト的に不利になるだけ)
(6) 女性向け市場拡大は(STGや格ゲーと同様に)性質上困難
という感じでしょうか。

正直なところ、ガチャゲーにうんざりしつつある。

2017年9月18日月曜日

プリペイドSIMから通常SIMに戻した時に「SIMなし」になる現象の解消方法

1週間ほど欧州方面へ行ってきたのですが、プリペイドSIM(コレ)を使ってみてかなり便利でした。
なんやかんやで一番助かったのがGoogleMapとGoogle翻訳が使えること。
あと、殆どのホテルにはWi-Fiがあったものの、有料だったり、無料だったとしても繋がりにくかったりと残念なものが多いので、iPhone(プリペイドを挿したSIMフリーのiPhone SE)のインターネット共有の方が安定的に通信できた印象。(それでも流石にガルパのマルチをやると途中切断がバリバリ発生しそうな程度の安定度なので、イベントは全てフリーライブで回すなどの配慮は必要でしたが)

ただ、帰国後に元のSIM(OCNモバイルONE)に付け替えてみたところ、「SIMなし」のまま変化しない現象が起きて若干焦りました。コレの原因は、ローミング設定が有効なままになっている為だろうと想像できたのですが、「SIMなし」の状態ではローミング設定を変更できないので、さてどうしたものかと。(これiOSの仕様不良じゃないかな)

小一時間ぐらい色々と試した結果、次の手順で無事解消できました。

[手順]
(1)「設定」→「一般」→「ネットワーク設定をリセット」
(2) 端末のアクティベートに使用したダミーSIMを挿してiPhoneを再起動
(3)「設定」→「モバイルデータ通信」で「通信のオプション」が「ローミングオフ」になるように設定
(4) ダミーSIMを取り出して元のSIM(OCNモバイルONE)に付け替える

これで復旧したので、もしかするとプリペイドSIMを挿した状態でローミングオフにしてから元のSIMに戻すだけも大丈夫そうな気がするのですが...(当然ながらそれも試したような気がするのですが、帰国後の体力を消耗しきった状態で弄っていたので何かミスっていたのかも)

2017年9月9日土曜日

最高レアの当て方

ソシャゲの最高レアリティのキャラクタなりカードですが、ガチャを回して当たる確率が1〜5%ぐらいと低めなので、普通に回しても全然当たる筈がありません。確率3%なら100回抽選すれば6割ぐらいの確率で3枚当たりますが、100回ガチャを引くにはだいたい3万円ぐらい掛かり、ピックアップなりの目玉カードを引こうとするとだいたい300回ぐらい抽選する必要がある(つまり、約10万)というのがだいたい相場のようです。(相場が高い原因は、多分前の記事で書いたように無課金率が高過ぎる為ですね...)

完全無課金でも頑張って石を貯めて回せば当たるチャンスはありますが、目的のカードが得られる期待値分の無料石を貯めようとすると通常何ヶ月も掛かり、そしてログボや侘び石だけで得られる無料石の量は高が知れているので、それなりに回そうと思えばそれなりにプレイする必要もあるので大変です。(一定量を超えるプレイは完全に時間の浪費で、「そこまでするぐらいなら金で解決すればええやん」と思える程度のやり込みが必要になる)

そんな大枚をはたいて(あるいは死に物狂いで無料石を貯めて)回す以上、当たってほしいと考えるのが人の情。

それでは、どうすれば当たりが引けるか。

もちろん、運に左右される部分もかなりあると思いますが、抽選が完全に運だけで行われているかというと、少々疑問があります。例えば、大半のプレイヤは手持ちのカードに属性(デレステならCu, Pa, Co + Vo, Da, Vi、ガルパならメンバー + pure/cool/power/happy)の偏りがあるかと思います。そして、だいたいのゲームでは(少なくともプレイ初期の頃は)偏っていた方が有利になるようにできているので、ユーザにとってはむしろ有り難い処置だったりします。(1つのゲームだけでそうなったとすると「偶然かな?」とも思えますが、流石に4本のゲーム全てで似たような偏りが生じたので偶然ではないでしょう)

つまり、ガチャは完全な運ゲーではなく、ユーザにとって有利なものも織込みつつ最終的には運営がKPIを達成できるようにする為の何某かの確率操作があると考えるのが自然です。

だとすると、
・どういう風にすれば当選確率が上がるか
・逆にどういう風にすれば当選し難い(=額面通り1.5%なりの低確率になる)か
という事を考えてプレイすれば、当選確率を上げることができます。

もちろん、そこには「技術的に可能か」という制約条件が挟まるので、ソシャゲ(の主にサーバサイド)の技術的な仕組みを把握できる程度のスキルが必要です。(良いアイディアがあったとしても、それが技術的に実現不可能だったり、またはペイできない程度のコストが掛かる手段しか無い場合は実装できない訳で)

そして、運営にとっての重要なKPIは、
①売上(=そうしないと商売にならないので)
②アクティブ率(=なるべく長い期間プレイし続けて欲しい)
③流入数
等がありますが、①と②あたりが当選確率に影響してくるパラメタだと考えることができます。

だいたいこんなところです。

それだけだと分かり難いかもしれないので、少し具体的な例を挙げてみます。

例1. 初心者支援パック

多くのソシャゲには、初心者支援パック的なものがあるかと思います。相場観を知らない初期プレイの時は、それがどの程度の価値があるかは測ることはできませんが、ある程度プレイしてから見返してみると結構な大盤振る舞いをしている内容のモノが多いです。私は試しにあるゲーム(デレステ、ガルパ)ではそれを購入して、別のゲーム(スクフェス、マクロス)ではそれを購入せずにプレイしてますが、どういう訳か前者の方が無課金でも高レアリティのカードを引けてます。まぁ、偶然かもしれませんが。ただ、売上的なことを考えると、高レアリティのカードが全く引けない状態よりは、数枚程度引けている状態の人の方がガチャを(課金してでも)回す確率が高くなるので、その「種まき用の高レアリティ」を意図的に当選させ易い状態にしているものと考えることが出来ます。ただし、初心者パックすら購入しないアカウントではそれを実施しても転化率が低いからそういう処置が無いと考える事が出来なくはないかもしれません。
個人的にこの初回限定特典的なヤツって結構微妙だと思ってますが。例えば、ガルパであれば「ランク100になった時に好きなカードを指名で引けるチケット(3000円)」とかの方が転化率が高い上にアクティブ率も伸ばせるんじゃないかと思っていたりする。

例2. 引退後はよく当たる

一時期ガッツリ課金してプレイしていたゲームでも、飽きが来てプレイ頻度が下がったり全く課金しなくなるというのはよくある事ですが、その半引退状態のゲームで、現役時代に全くアタリを引けなかった月末限定レアを無課金石で引けてしまえることが割とよくあります。「押してダメなら引いてみよう」というヤツでしょうか。これは所謂リマーケティングという手法だと考えられます。

例3. 初めての有料石でのガチャは勝率が高い

初めての課金して回す10連ガチャでは、体感的に勝率が高い。
そもそも課金率が絶望的に低いですから仕方ないね。

他にも色々と考えることが出来るかと思います。

上記の例は、少なからず課金が必要な例に絞っていますが、もっと発展的に「無課金者からお金を払って貰うにはどうしたら良いか」と考えて、あれやこれやと色々と考えられているものと思われるので、完全無課金者にもチャンスがあるパターンも存在すると思います。
例えば、同じ完全無課金のプレイヤーでも、「一方はそこそこ最高レアが引けているのにもう一方は全然引けていない」といった話しをよく聞きますが、これは前者の人は「転化行動を起こす可能性が高まりそうな行動」をしていた可能性があるのではないかと考えることができます。
そこに人工的な意図がある以上、完全な運否天賦に任せるのではなく、意図する側の人がどのように考えて仕組みを作っているのか推測した上で作戦を立てた方が勝率が良くなって当然ですよね。
なお、実際にそういう実装になっているのかはブラックボックスなので、当たるも八卦当たらぬも八卦程度に考えて、無理の無い範囲で色々と試してみると良いかと思います。

2017年8月27日日曜日

ソーシャルゲームが儲かる仕組み

少し古い記事ですが、基本無料のゲーム(ソシャゲ)の課金ユーザの比率はだいたい1.7%ぐらいだとか。
http://gigazine.net/news/20160325-mobile-market-report-2016/

当然、全てのゲームがそれに当てはまるとは限りませんが。
ただ、概ねこの通りだと仮定すると、MAU(月間アクティブユーザ数)が50万人であれば8500人ぐらいがPUU(課金ユーザ)という計算になります。
更に、PUUの内6割(5100人)ぐらいが微課金勢でそれらは売上的には些細なものだから、実質残り4割(3400人)ぐらいがメインの収益ソース、更に売上の半分を支える重課金勢の割合は、PUUの内1割(950人)ほどとか。
一人の課金ユーザが支える無課金ユーザ数は57.82人ぐらいという計算になるのですが、これは・・・。例えば、財務省によると、2025年には年金受給者1人を支える現役世代は2.2人になるとのこと(参考)ですが、ソシャゲと比べれば大分ヌルく見えてしまう程度に歪な収益構造だと思います。

こんなんで儲かっているの?
と思いきや、関連企業の決算情報を見てみると中々儲かっている様子。

■mixi (2017年3月決算)
・売上: 207,161百万円 (前年比: -0.8%)
・営業利益: 89,008百万円 (前年比: -6.3%)
・営業利益率: 約43%
メディアプラットフォーム事業(SNSなど)の分の決算も混ざっていますが、売上30億程なので誤差みたいなものだからそのまま混ぜておきました。(元々の本業はそっち系だとは思うので念のため)
■ガンホー (2016年12月決算)
・売上: 112,475百万円 (前年比: -27.1%)
・営業利益: 46,081百万円 (前年比: -36.4%)
・営業利益率: 約41%

■コロプラ (2016年9月決算)
・売上: 84,730百万円
・営業利益: 31,855百万円
・営業利益率: 約37.6%

■CyberAgent (2016年9月決算の内ゲーム事業の連結分)
・売上: 122,638百万円
・営業利益: 30,451百万円
・営業利益率: 約24.8%
調べた4社の中では営業利益でビリ。売上的にはガンホーを追い越していますが、他と比べると営業利益率が低いのが特徴。他と比べて明らかに運営にコストが掛け過ぎじゃね?という印象はあるので特に不思議ではないですが。あとは、広告会社だからプロモとかに相当金を使っているとか?(インターネット広告事業も結構堅調とからしいのですが、その売上の内自社広が占める割合がどの程度なのか調べたかったがよく分からなかった)
全般的に営業利益率が高い。
caが若干低めですが、それでも他業種と比べると大分高い。
例えば製造業の営業利益率はだいたい5%ぐらいが平均的。(参考
初期投資がメチャクチャ掛かるけどヒットするのはほんの一握りのため、大半のものはリクープ(費用回収)すらままならず死ぬにも関わらず、新作がリリースされ続けるのも頷ける。

どうしてそんなに儲かるのか。

2012年ごろコンプガチャ が問題になって、最後には消費者庁が違法(景品表示法)だと勧告して業界内で自主規制する騒ぎにまでなりました(騒動のキッカケ?)。要するに、阿漕なやり方で消費者からジャブジャブとお金を吸い取っているから儲かっているのか?

当時は、コンプガチャの違法性云々や、射幸心(可能性の低い偶然性を得ようとする欲求)を煽り云々が争点になっていたような気がしますが、そこは実のところ大した問題では無かったように思っています。
もちろん、未成年者が親の金を遣ってジャブジャブ課金とかだったとしたら大問題ですが、事理弁識能力がある人が自分で稼いだ金を自分の意思で遣う分にはという意味で。
というのも、人間が持つ欲求の内、射幸心なんて取るに足らないものなので、それだけでここまで儲かる筈が無かろうと。ただし、ここから先は実際に経験してみないと分からないので、去年ぐらいから実際にソシャゲで無制限に課金できるようにして実際に体験してみたのですが、それで何となく理解することができました。

アメリカの心理学者、アブラハム・マズロー(の自己実現理論)によると人間には5段階の欲求があり、自己実現(これが5段階目)に向かって絶えず成長する生きものであるとしています。

(欲求の5階層)
1. 生理的欲求: 生きていくために必要なもの(食欲、性欲、睡眠欲)
2. 安全欲求: 病気や怪我のリスクを回避したり経済的安定を求めたいとする欲求
3. 社会的欲求: 友達や仲間が欲しい, ぼっちになりたくない
4. 承認欲求: 友達や仲間から認められたい, 出生したい, 偉くなりたい
5. 自己実現欲求: 創造的な活動がしたい

ソシャゲ(ソーシャル=社会性)というコンテンツは、言わば閉じられた一つの社会で、その中で承認欲求を満たそうとして人は課金をします。ただし、所詮はゲームコンテンツの中の社会なので、その中ではどう足掻いても自己実現欲求を満たすことはできません。逆に言えば、自己実現をする必要が無い箱庭です。つまり、自己実現はしなくても良くて、承認欲求さえ満たせば良い構造だからこそ、(極一部の人が)そこに無尽蔵なまでの投資ができてしまう。これがソシャゲが儲かるロジックなのだと理解。
このロジックと割とよく似ているのが受験戦争ですかね。受験戦争の最大の問題点は結果的にそれが自己実現欲求の満足という観点を置き去りにしていた(良い大学に入る、良い企業に入ること=承認欲求の満足がゴール目標になっていた)ことで、その反省(というか、結果的に国益にならなかった?)から生まれたのが「ゆとり教育」なる考え方だったと思うのですが、何れにしても両極端だなと思います。
それを軸にした戦術として、スタミナ(時間制限を拡張することでアバターを成長させる機会を増やせる仕組み)、ガチャ(アバターを強化する装備アイテムなどを購入できる仕組み)などがある訳です。
逆に言えば、「承認欲求の満足」に紐付かないものは失敗します。その失敗例として思いつくものといえばデレステのドレスショップです。ドレスを変更することでアイドルの総合力が上がるとかそういう要素が一切無かった(仮にあっても課金必須という時点で9割強のユーザからは批判を買う。極めて低い確率であっても無課金ユーザが入手できる方法を用意しておく必要がある...結局ガチャ)ので結果的に全然売れず、最終的にはガチャチケットと抱き合わせ販売する形に落ち着きました。
ちなみに、課金上限は特に設けずに試していたのですが、約1年間での月当たりの課金額はだいたい1万円といったところでした。(ソシャゲという箱庭では狭すぎるので暇つぶしにはなるけど満足は出来ないという感じでした)

2017年8月13日日曜日

ファミコンのステートセーブ(QuickSave)に必要なストレージ容量を計算

だいたいのファミコンのエミュレータには、ステートセーブ機能(マシンの情報を丸ごと保存して復元できる機能)が付いていますが、その中には一体どのような情報が何バイトぐらい記録されているのか、興味本位で調べてみました。(当初、お手軽にググって調べれば分かるだろうと思っていたのですが、良い感じに纏まった情報がパッと見つからなかったので)

調査方法は、Nestopiaというlibretroを使ったNESエミュレータ(OSS)のソースコードを解析する形で実施しました。(たぶん、それが一番楽だと思います)

なお、オリジナルのNestopiaのソースコードはコチラにありますが、本記事では見やすさを優先してGitHubにミラーされている以下のリポジトリ(のバージョン1.47)を参照します。
https://github.com/rdanbrook/nestopia

全体像


上記から、大まかに以下5項目のデータを保持していることが分かります。
  1. CPU: Central Processing Unit
  2. APU (CPU内部): Audio Processing Unit
  3. PPU: Picture Processing Unit
  4. IMG: イメージ?
  5. PRT: 拡張ポート
① CPU


ファミコンのCPUはRP2A03というMOS 6502のカスタム品(リコー製)です。
(オリジナルのMOS 6502との違い)
  • 二進化十進表現(BCD)関連の機能が削除されている
  • APU(後述)が付いている
  • DMA関連の機能が追加されている

1-1 REG: レジスタコンテキスト (7byte)
  • pc (プログラムカウンタ) 2byte
  • s (スタックポインタ) 1byte
  • p (ステータスレジスタ) 1byte
  • a (アキュームレータ) 1byte
  • x (インデックス) 1byte
  • y (インデックス) 1byte

1-2 RAM: メインメモリ (2KB)
流石にメインメモリはデカイ。
デカイといっても、昨今のスマホの数百万分の一程度ですが。
当初(調査前)は、ココ(RAM)が圧倒的にデカくて、他は大したことが無いんじゃないかと想像していたのですが、調べてみるとname-tableというRAMに匹敵する(というか同じ)サイズの巨大なメモリ空間がPPUにありました。その辺は「流石ゲーム機」といった感じですね。(name-tableについての詳細は後述)

1-3 FRM: 割り込み制御情報 (5byte)

1-4 CLK: ticksカウンタ (8byte)
ticksカウンタというのは、CPUの動作周回(Hz)動いたかを示すカウンタです。ココに何バイト使うかはエミュレータの実装依存かと思います。ちなみにファミコンのCPUは 1.79MHz で, 8byte (64bit) は 0~18446744073709551615 までの数値を記憶できるので, だいたい1億日(30万年)ぐらい起動し続けるとticksカウンタがラップアラウンドすることで, 再現性が失われる可能性があるかもしれません。(つまり、8byteあれば事実上ticksカウンタはラップアラウンドしない)

② APU

APU; Audio Processing Unitは、音声の制御に特化した演算装置のことで、実際にはRP2A03の内部に実装されています。だから、Nestopiaの場合、CPUのsaveStateの内部でAPUのsaveStateを呼び出す構造になっているのかと思うと、何かロマンめいたものを感じてしまう。構造的にはAY-3-8910 (PSG音源) のカスタム品ですが, 矩形波だけでなく三角波(笛みたいな音. 1系統のみ)を扱うことができます。また、矩形波 (2系統) についてもデューティー比を0.25, 0.5, 0.75の3種類から選べるようになっていて更に系統別のエンベロープも実装されている豪華仕様です。デューティー比0.25 (, 0.75) の音はノコギリ波に似た感じのあの音です。またノイズ (1系統) と DPCM (1系統) も扱うことが出来ます。オリジナルのAY-3-8910と比べて格段に高い音楽表現能力を有しています。この時代のチップチューン音源は, 現代の表情のない音源システムには無いカオスさがあって面白い。(そういう所に面白さを感じる人間だから東方VGSとかをやっていた訳で)
2-1 FRM (4byte)

2-2 IRQ (3byte)

2-3 EXT (2byte)

2-4 矩形波1 (4+1+3byte)
波形の基本情報4byte + 長さカウンタ1byte + エンベロープ3byteです。

2-5 矩形波2 (4+1+3byte)
系統1と同じ内容です。

2-6 三角波 (4+1byte)
三角波にはエンベロープが無いので, 矩形波と比べて3byte少ない領域で保存できます。

2-7 ノイズ (1+1+3byte)
ノイズにはエンベロープがあります。(何故、三角波にはつけなかったんだろ)

2-8 DMC (12byte)
DMAを制御するためのコントローラのレジスタコンテキストを保持しています。

③ PPU

PPU; Picture Processing Unitは、グラフィックスの制御に特化した演算装置で, スプライトやBGなどの表示制御を行います。 要はGPUですね。(現代のGPUとは根本的に異なりますが)

3-1 REG: レジスタコンテキスト (11byte)

3-2 PAL: パレットRAM (32byte)

3-3 OAM: RAM (256byte)

3-4 NMT: name table RAM (2KB)

3-5 FRM<optional>: PPU_RP2C02 only (1byte)

3-6 POW<optional>: HCLOCK_BOOT only (1byte)

④ IMG

この領域はよく分かりませんが、SaveStateが空関数になっているので何も保存していませんが、friendメソッドなので派生クラスの方で色々と保存しているようです。(少し追いかけてみたところ、マッパー種別に実装が分かれているようでした)

⑤ PRT

5-1 4SC optional (1byte)
拡張ポートが4つかどうかだけをフラグとして管理しているらしい。 データは特に無いので1bitでも十分だが、1byteとしておきました。

5-2 拡張ポート device (0byte)
IMGと同様、saveSatateメソッドが実装されていましたが空でした。
何かしらのコンテキストやRAMを持つデバイスの場合は実装する必要がある(現状対応していない)のかもしれません。

5-3 拡張ポート (3byte)

結論
上記の容量を合計すると 4468 + α byte になります。
約4KBってところですね。なお、Nestopiaの場合、RAMやNMTなどのサイズが大きな領域はZLIBを用いて圧縮しているので、ファイル上のサイズはもっと小さくなる筈です。ただし、これは飽くまでも全ROM共通の最低サイズで、マッパー(ROMの種類)によってαのサイズが大分変わってくる筈です。(その内、代表的なマッパー分だけでも解析してみようと思います)
もちろん、これはNestopia (v1.47) の場合の話しです。
でも、ファミコンは既に解析され尽くされている感があるので、他のエミュレータでもだいたい同じようなものだろうと思っています。

リアルトーンケーブルをLogic Pro Xで使う

Rocksmith 2014という、実際のギター(やベース)を使った遊ぶ音ゲーで使うリアルトーンケーブルをLogic Pro X(DAW)で使ってみました。

リアルトーンケーブルは、シールドの片方がUSBになっているような形状のケーブルです。
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%82%A4-%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88-%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%9F%E3%82%B9-%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB/dp/B008R50VRC

使い方は簡単。

パソコン(Mac)とギターをリアルトーンケーブルで接続した状態で、Logic Pro Xを起動し、プロジェクトにトラックを追加して、この時に「ギターまたはベース」を選ぶだけです。
入力デバイスの部分が「Rocksmith USB Guitar Adapter」になっている筈
空プロジェクトにトラックを追加してみた状態
後は、追加したギタートラックを選択した状態でギターなりベースなりを鳴らせば、選択されているライブラリのエフェクトが掛かった音が鳴ります。当然、エフェクトも自由に弄れるし録音も出来るので、Mac + Logic Pro Xがあれば自宅練習や宅録するのにアンプやエフェクタは一切不要になります。

リアルトーンケーブルでなくても、オーディオインタフェースを買えば似たようなことは出来ますが、3000円ぐらいの安物のオーディオインタフェースとシールド(相場は1500円ぐらい?)を買うよりは、リアルトーンケーブル(3000円ぐらい)が1本あれば良いし、性能面でもそんなに気にならない(というか安物のオーディオインタフェースよりも遥かに良いと思う)ので、コスパ面ではリアルトーンケーブルがベストかもしれません。

なお、Logic Pro Xを持っていなくても、OSに付属しているGaragebandで(若干設定が必要らしいですが)似たようなことが出来るらしいです。
参考記事: http://catsmane.net/wsblog/?p=2273

ついでに、私の手元の環境がMacなのでLogic Pro Xで試しましたが、Windowsでも(※ちゃんとしたDAWソフトを使えば)多分似たような事ができるかと思います。
参考記事: http://electric-guitarz.net/amp-simulator/