2012年10月7日日曜日

VGEオープン化プロジェクト (5)

ドキュメンテーション作業中。
とりあえず、1章(概要)を書きました。
1章は唯一の駄文スペースなので、かなり遊びました。

以下、抜粋して掲載。(けっこう長いです)
※かなり短時間で書いたので、誤字・脱字が多いかも
 誤字・脱字はいつものことですが・・・

1-1 VGSとは

  VGS(Video Game System)とは、C言語を用いてWindows/Android共通の実装でゲームを作成できる仮想プラットフォームです。ゲーム開発者は、VGSを用いることでゲーム本質部分の開発に勢力を注ぎ込むことができます。似たような思想で作られた「プラットフォーム共通化ツール」の類は他にも腐るほどありますが、VGSの最も特徴的な点は、2Dゲームの開発に特化していることと、仮想ハードウェアの仕様が非常にチープであることです。
  ゲームハードウェアは、時代とともに「限界を無くす」方向へ進化してきました。しかし、その進化の結果、グラフィックのリアルさなどのゲーム本質とはあまり関係ない部分に対して開発リソースを注ぎ込む無駄が生じるようになりました。現在、1本のゲーム製作に掛かる費用は、嘗てのハリウッド映画に匹敵する莫大なものらしいです。その結果、とてもリアルでヌルヌル動く映画顔負けのゲームがリリースされている訳ですが、それらの「ゲームそのものの面白さ」に関しては、適切な費用対効果を得られているとは言い難いです。如何に動きがリアルであっても、ゲーム性が殆ど無く、つまらないものしか無いという印象です。ゲームを面白くするのに必要な投資の選択と集中を誤っていることがその原因であると、私は考えています。事実、注ぎ込んだ経営リソースはファミコン版マリオよりも桁違いに多い筈なのに、マリオの方が桁違いに面白かったと思うので。
  ゲームの本質部分を面白くするには、ゲーム本質部分の開発にリソース(資金や人材)を注ぎ込むべきです。ゲームハードウェアは、ある段階で進化を止め、ソフトの開発にのみリソースを集中するのが適切な選択だった筈です。しかし、全ての生物は遺伝的に、進化を止めることに対して背徳的な観念を持っているため、進化を止めることはできません。
  進化論の観点で見れば、ゲームに対して面白さを追求する行為そのものが淘汰されるべき存在なのかもしれません。
  しかし、私は今の「リアルでつまらないゲーム」より、嘗ての「面白かったゲーム」の方が好きです。もちろん、「ゲームが面白いか否か」の判断には多くの定性的な要素が関係するので、私の「嘗てのゲームの方が面白かった」という感覚は、ノスタルジーが創り出した幻想なのかもしれません。幾らでも反証の余地はあると思います。しかしながら、この議論について定まった解は得られていません。恐らくそれは「神のみぞ知る」領域の問題かもしれません。なので、これについて哲学しても禅問答にしかならないので、時間の無駄だと思います。最も賢い選択は、自分が正しいと思うことを信じることです。
  仮に私の考えが正しければ、このままでは面白いゲームは絶滅することになります。そこで、私は面白いゲームが絶滅を阻止するため、ゲーム開発者がゲーム本質部分の面白さを追求したモノ作りができるプラットフォームとして、この必要最低限のハードウェア機能のみを実装したシンプルな仮想ゲーム機「VGS」を開発しました。
  VGSで作られたゲームの具体例として、SUZUKI PLANが開発した「NOKOGI Rider」を遊んでみてください。
Windows版 NOKOGI Rider
Android版 NOKOGI Rdier
※製品版を買って頂けると嬉しいですが、無料の体験版(Lite版)でも、VGSの雰囲気を十分に掴める筈
  NOKOGI Rider(あと、Invader Block 2)は、VGSを用いて作られています。 NOKOGI Riderの場合、プログラム作成開始から完成まで半年弱の期間で作りました。 もちろん、開発に携わったプログラマは私ひとりだけです。 ついでに、NOKOGI Riderの開発が専業ではなく、普通の会社勤めのサラリーマン家業をこなしながらです。 普通の人間がこれだけのものを僅か半年弱でひとりで作るのは不可能です。 恐らく、専業で開発したとしても相当無理がある筈です。 別に私が特別能力が高い訳でもないと思います。
  VGSを採用したからこそ、それを実現できました。

1-2 使用許諾

  VGSを利用される前に、以下についてご了承ください。
  • VGSの著作権はSUZUKI PLANが有します。
  • VGSは、再配布可能とします。
  • VGSで作られたゲームを再配布する場合、必ずそのゲームに付随するユーザ公開ドキュメントに「本プログラムは、SUZUKI PLAN-Video Game Systemを用いて作られています。」と明記してください。
  • VGSを用いて開発されたプログラム及びデータは、その作成者が著作権を有し、 その作成者の責任で自由に配布又は販売できます。 それに際し、VGSに付属するモジュールの一部(ランタイム)を構成物の一部として同梱できるものとします。
  • VGSの不具合が見つかり、SUZUKI PLANに修正を依頼する場合、不具合の現象が発生する必要最小限のソースコードで実装したプログラム(再現プログラム)を提示しなければならないものとします。 再現プログラムの提示が無い不具合の報告は「VGS側の問題ではないもの」と見做します。 また、仮に再現プログラムの提示があっても、SUZUKI PLANは確実にその修正に応じなくても良く、修正の実施に関する判断はSUZUKI PLANの決定に従わなければならないものとします。
  • SUZUKI PLANは、VGS又はVGSを用いて開発されたプログラムの使用により生じた損失全般(VGSの不具合に起因する場合を含む)につき、一切の保障義務を負わないものとします。
  • (補足)
      明確な許諾条文とすることは避けますが、VGSを用いてゲームを作成する場合、極力商売をするようにしてください。 体験版などをフリーで配るのは良いですが、フリーで配るのはあくまでも体験版などの試供品に留め、開発者が利益を得る手段を確保することを推奨します。 なお、アフィリエイトはあまりオススメしません。なるべく有償で販売し、その対価で利益を得るように努めてください。 ただ、商売をするとなると色々と大変なところもあるので、使用許諾としての明文化は避けました。 ちなみに商売をする場合、特に気をつけないといけないのは、知的財産権(主に著作権)と税関系(源泉徴収や消費間接税)の事です。 知的財産権については、絵、音、プログラム(VGS部分を除く)の全てを自作すれば気にする必要がないので、それを推奨します。

    1-3 基本スペック

      VGSは「仮想ゲーム機」です。つまり、概念はハードウェアですが、実体はハードウェアではありません。 要するにエミュレータです。しかし、模倣対象が物理的に存在しない点が普通のエミュレータと異なります。 この方式を採ることで、VGSというゲーム機が死ななくなるメリットがあります。 例えば、現行のハードウェアが廃れても、VGSを新しいハードウェアで動けるように移植することで、 ゾンビのように生き残り続けることができます。
    (ハードウェアスペック)
    項目仕様
    画面サイズ240x320(縦画面のQVGA)固定
    同時発色数最大256色
    ビデオメモリスプライト(1面) + BG(1面)
    スプライト・GSLOT(後述)から任意サイズの矩形データを転送できる
    ・パレット番号0番を透明色とする
    ・特定パレットでの単色表示(マスク表示)が可能
    ・1/2サイズでの縮小表示が可能
    ・縮小+マスク表示が可能
    ・拡大機能なし
    ・回転機能なし
    ・半透明表示機能なし
    BG・GSLOT(後述)から任意サイズの矩形データを転送できる
    ・8方向スクロールが可能
    入力装置シングルタッチのタッチパネル + ポーズボタン
    入力装置
    (Windows)
    ・左クリックをタッチとする
    ・右クリック又はESCキーをポーズとする
    入力装置
    (Android)
    ・シングルタッチをタッチとする
    ・3点マルチタッチ又は戻るボタンをポーズとする
    ・ホームボタンが押された場合、ポーズしてからホーム画面に戻る
    音声22050Hz / 16bit / モノラル
    EFF音源PCM音源
    BGM音源波形メモリ音源(後述)
    ROM領域以下の3種類×各256個のSLOT領域で構成される
    ・最大256x256のグラフィックを最大256個(GSLOT)
    ・PCM効果音を最大256個(ESLOT)
    ・BGMを最大256個(BSLOT)
    ※1つのゲームで使用できるROMファイルは1つのみ(複数ROM不可)
    3Dグラフィック対応しない(※対応していないではなく)
    ネットワーク通信対応しない(※対応していないではなく)
    CPUエミュレーションしない
    ※動作環境のNativeコードで動作

    (波形メモリ音源 + 音源ドライバ)
    項目仕様
    基本仕様22050Hz / 16bit / モノラル
    分解精度22050fps
    チャネル数
    (同時発音数)
    6チャネル
    音色数以下の4種類。
    ・三角波
    ・ノコギリ波
    ・矩形波
    ・ノイズ
    音色の設定チャネル毎に自由に設定や切り替えが可能
    エンベロープチャネル毎に開始・停止について設定可能
    ボリュームマスターボリュームとチャネル毎のボリュームを設定可能
    ピッチベンド自動キーダウンが可能(自動キーアップは不可能)
    その他・ポーズ可能
    ・フェードアウト可能

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    合理的ではないものを作りたい

    ここ最近、実機版の東方VGSの開発が忙しくて、東方VGSの曲追加が滞っています。 東方VGS(実機版)のデザインを作りながら検討中。基本レトロUIベースですがシークバーはモダンに倣おうかな…とか pic.twitter.com/YOYprlDsYD — SUZUKI PLAN (...