2013年8月4日日曜日

iPhone/Android両対応の有料アプリの売り方に関する考察

私は、SUZUKI PLAN - Video Game System(VGS)を用いることで、iPhoneとAndroid両対応のアプリを効率的に開発することができます。ですが、そのポテンシャルの活かしたマーケティング方法について、あまり考察せず、「完成したら可能な限り早くリリース」というスタンスでやってきました。ただ、ちょっとばかり考えてみると、どうもそのやり方はあまり宜しくないかもしれない…ということで、記事に纏めてみることにしました。

(1)マーケット特性
GooglePlayとAppStoreの特性の違いを、下表に纏めてみました。
比較項目
GooglePlay
AppStore
申請から公開迄に掛かる期間 1~2時間ほど 1~2週間ほど
新着インプレッション機会 一定の人気が有る場合に限る 必ず有る
ランキング変動スパン 長め 短め
価格変更 ○有料→無料
×無料→有料
○有料→無料
○無料→有料

(2)申請から公開迄に掛かる期間
GooglePlayの場合、申請したアプリについて、人手による審査は無いため、申請すればすぐに公開されますが、AppStoreの場合、Appleによる審査に1~2週間程度の期間を要します。そのため、AndroidとiPhone両方のアプリが同時に完成でき、可能な限り早く申請を行った場合、公開される順序は必ずGooglePlay→AppStoreの順序になります。

(3)新着インプレッション機会
GooglePlayとAppStoreの場合、新着アプリのインプレッション機会に大きな違いがあります。GooglePlayの場合、公開から1ヶ月以内の人気のあるアプリに限り、「新着ランキング」に載ることができますが、AppStoreの場合、全てのアプリに「新着アプリ」への掲載機会があります。
つまり、以下のようなことが言えます。
・GooglePlay:プロモーション(広告、SEO等々)をしなければ、殆どダウンロードされない。
・AppStore:何もしなくても数日間はダウンロードして貰える。

(4)ランキング変動スパン
人気ランキング(※新着に限らない)は、GooglePlayの場合、変動が少ないのに対して、AppStoreは非常にコロコロ変動します。この違いにより、GooglePlayでは、一度人気を取ったアプリは長期間ランキング掲載されるのに対して、AppStoreでは、人気が長続きすることは無いという特徴があります。換言すれば、GooglePlayでは、ランキング上位へ食い込むことが極めて困難であるのに対して、AppStoreでは、誰でもランキング上位へ食い込むチャンスがあると言えます。

(5)価格変更
AppStoreとGooglePlayの最大の違いは、無料アプリの有料化ができるか否かです。
AppStoreならできますが、GooglePlayではそれができません。
なお、有料アプリの無料化ならどちらでもできますが、それは基本的に禁じ手です。有料時に買っていただいた方に申し訳ないので、「お客様第一主義」という観点では、絶対にやってはいけないことだと思います。(個人的には、値下げ販売も同様だと思っています…割と横行してますが)

(6)考察
上述の事情を考察した結果、最も理想的な販売戦術は、次のような形だと思います。
①最初に、iPhone版を無料(広告すら無しの完全無料)でリリースする
②一定期間経過後、有料化する
③Android版を最初から有料でリリースする
④広告出稿等のプロモーションを必要に応じて行う
上記①は、アプリの内容について評価をして頂くためのものです。一般ユーザの声が聞けるので、プロモコードを発行するよりも遥かに有益だと思います。そして、評価されればランキング上位に食い込み、更なる評価機会を得ることができます。
その後(一定の評価が得られてから)、有料化(②)を行います。「有料→無料は禁じて」だと先述しましたが、「無料→有料」ならOKだと思います。ただし、「有料の別バージョンをリリースして、無料版を非公開にする」という方式はNGです。実際、そういうやり方をしているアプリを見た事があるのですが、☆1でボロクソに叩かれまくっていました。少し考えれば、そんなことは誰でも分かるのに、何故そんなことをしたのか不思議です。無料で提供することで得られなかった収益は、「プロモーション費用」だと割り切って考えるべきだと思います。
そして、iPhone版での一定の成功を待ってから、Android版をリリース(③)します。そうすれば、口コミ(ブログ等)でアプリの情報が広まった状態になっていると期待できるので、ランキング上位へ食い込むことが難しいAndroidでも、そのチャンスが訪れるかもしれません。
また、iPhone版で得た収益から、広告費用を捻出できるかもしれません。Android版の方が、売るのが難しい分、売れれば大きい(World wideでの数がiPhoneよりも遥かに多い)ので、iPhone版はテストマーケティング、Android版で本気のマーケティングを仕掛けるやり方の方が、売り上げが大きくなるのではないかと想定しています。なので、必要に応じてAndroid版の広告出稿など(④)を行います。

次(SUPER REAL RACING(仮))からは、この作戦で行ってみるか。
作り手サイドの思考としては、作ったらなるべく早くリリースしたいのですが...
ただ、そこは、グッと堪えた方が、得策かもしれません。

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