2017年10月15日日曜日

スマホ音ゲーの傾向

ガルパ、ミリシタ、歌マクロス、うたプリ、SideM、その他諸々。2015年末〜2016年にかけてデレステが好セールスを叩き出した影響か、今年はスマホ音ゲーの新作が続々と登場していますが、セールス的には、
・相変わらず強いデレステ
・地味にしぶといスクフェス
が「二強」といった感じで、新規は中々苦戦しているようです。
以下、各アプリ(iOS版)のセールスランキング(全アプリ総合)の推移を見ていきます。(ランキング推移はAppAnnieで確認)

(デレステ)

・強い
・今年に入ってから下降トレンドになったものの7月ぐらいから徐々に上昇トレンドに転じている
・ガルパ合わせでスライドを導入し、ミリシタ合わせでガチャ率を1.5%→3%に緩め、SideM合わせでスマートモード追加など、着実に新規を潰していく施策を実施できていることに加え、2周年記念で5日間10連ガシャを毎日1回無料といった大盤振る舞いな施策が功を奏した形か
・出戻り勢が多そう(私もその一人)

(スクフェス)

・地味に強い
・100位を割り込んだ時期もあったものの、そのまま落ちることなくそこそこの順位を保つ
・下降トレンドであることには変わりないが「底の強さ」みたいなものが感じられる

以下、これら2強に仕掛けた新規勢を見ていきます。

(ガルパ)

・概ね好調(反発ライン=100位前後)
・ただし、上位キープは出来ていない(新規ガチャ実装→そこそこ上位へ上がる→すぐに落ちている→新規ガチャ実装...の繰り返しで、それは他のゲームでも同じだが、デレステと比べて上位定着期間が短い)
・楽曲コンテンツの追加ペースが早いものの、中長期を見通した運営プランができていないのか、追加コンテンツとイベントが上手く連動出来ていなかったり等の運営面での舵取りの甘さが目立つ
・このゲームの差別化要素は、他音ゲーと比べてゲーマー向けに寄せている点で、それが(アニメが成功しなかったにも関わらず)ヒットできた要因だと思われるが、その半面、この路線だと新規顧客獲得に苦戦することになる(ゲーマー向けに寄せれば寄せる程、かつての格闘ゲームやSTGなどと同様のタコツボ化状態になるので新規から敬遠されるようになる)
・実際、新規流入が8月にドカッと入っている(OVAの地上波+AbemaTVでのOA or ブーストだと考えられる)が、その後セールス的には9月初旬に過去最低を記録していることから、新規顧客の定着化に難がある事が数値的にも浮き彫りになった

(ミリシタ)

・軟調(反発ライン=200位前後)
※図で見ると分かり難いですがガルパの概ね2倍下振れしています
・事前登録100万超えなど、リリース前の話題性はあった
・レビューを見る限り、コンテンツ追加ペースが遅く、イベントも盛り上がりに欠けていたことに加え、ゲーム本編が特に新規性が無かった事がユーザの不満を買った模様
・楽曲実装の遅さは、コンテンツ調達コストが相当重い事が要因か
・このゲームの最大の弱みは、デレステと比較した場合の差別化要素がキャラクタ(IP)しか無い点かもしれない

(歌マクロス)

・不調(200位圏外が安定しつつある)
・テコ入れが必要だと思われるが、ミリシタと同様コンテンツの調達コストが結構重そう(=楽曲コンテンツ数では勝負できない筈)だから、打開策としてはレアリティの投げ売りぐらいだと思われる
・このゲームで強くなるには、最高レアリティが9種必要で、しかも最高レアリティは最低でも同じカードが2枚無いとレベルMAXにならず、更に属性染めアリという具合
・考え得る限りの搾取ロジックが実装されており、その辺が課金慣れしたユーザから敬遠された(かどうかは分からないですが、少なくとも私はそこそこ遊んだものの1円たりと課金する気が起きず、完全無課金プレイでした)

(うたプリ)

・弱い(リリース初日10位以内に入れず)
・そもそも音ゲープレイヤーなんて8割は男なのに、何故女性向けコンテンツで作ろうと思ったのか(開拓を狙うにしても、中身がスクフェスと同じ=無策同然なので、それでは開拓なんて出来る訳もなく)

(SideM)

・弱い(リリース5日で100位以下へ落ち、2週間で150位を割り込む)
・そもそも音ゲープレイヤーなんて8割は男なのに(略)
・シングルレーンでゲーム性は完全に捨ててきているスタイルは、ある意味斬新かもしれないが、それならそもそも音ゲーにする必要が無いのでは...(パズルゲームなどの女性ウケの良い別ジャンルで攻めた方がまだマシだったのではないだろうか)
・音ゲーで女性向けマーケット開拓という牙城に無策で挑んだうたプリよりはマシかもしれないと思いきや、うたプリよりもセールス的には弱い(やっぱり、女性向けでもゲー無ではダメみたいですね)

〜〜〜〜〜

総括してみると、
(1) デレステより後の世代でのヒットの傾向としては、高難度化が好まれる傾向
 - 新規勢で唯一ヒットできたガルパだけがこの路線
 - 定着するユーザは(スクフェス/デレステ等の)経験者ばかりだと考えられる
 - つまり、順調にタコツボ化が進んでいる
(2) セールスを上げるのには蛸壺の住人が必要(特徴は下記)
 - 新奇性が無いと寄り付かない
 - IPではなくゲーム性を重視
 - 文脈を踏まえたものを提供しなければ叩かれる
 - ↑は、新規プレイヤから敬遠される要因にもなる
(3) IPは初期流入やメディアミックスしたタイミングで効果はあるが、継続率向上や転化行動の発生などには寄与しない(人気キャラクタ持ってくれば勝てる訳ではない)
(4) 課金慣れしているユーザは、搾取に対する警戒も強い
(5) 3D導入のインパクトはもう無い (コスト的に不利になるだけ)
(6) 女性向け市場拡大は(STGや格ゲーと同様に)性質上困難
という感じでしょうか。

正直なところ、ガチャゲーにうんざりしつつある。

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